パースはほどほどに!遠近感を「雰囲気」で出す描き方

デジタルアートで背景を描く際、「パース(遠近法)」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。パースのルールを正しく使えば、イラストに奥行きが生まれて、よりリアルに見せることができます。しかし、消失点や補助線など、ルールを厳密に守ろうとすると、描くこと自体が難しくなり、楽しさが半減してしまうことも。
この記事では、難解なパースのルールを一度置いておいて、**「雰囲気」でイラストに遠近感と奥行きを出すための簡単なヒント**をお伝えします。ルールに縛られず、あなたの感性で、作品に広がりを持たせてみましょう!
「正しい」パースよりも「気持ちいい」遠近感を
完璧なパースで描かれた絵は魅力的ですが、それが全てではありません。あなたが「描いていて気持ちいい」「見ていてワクワクする」と感じる遠近感こそが、あなたのイラストを特別なものにしてくれます。
遠近感は、パースのルールだけでなく、色の使い方や線の強弱でも表現できます。難しく考えず、あなたの感性を信じて、自由に試してみましょう。
遠近感を「雰囲気」で出すためのヒント3選
厳密なルールは気にせず、以下の簡単なテクニックでイラストに奥行きを加えてみましょう。
1. 前と後ろで「線」を変える
線画を描く際、手前にあるものと奥にあるもので、線の描き方を変えてみましょう。
- 手前のもの:キャラクターや手前の建物など、手前に来るものは**太く、はっきりとした線**で描く。
- 奥のもの:遠くの山や街並みなどは、**細く、かすれた線**で描く。
この簡単な線の使い分けだけで、イラストに奥行きが生まれます。
2. 「色」で遠近感を表現する
色は、距離感を表現するのに非常に効果的なツールです。
- 手前のもの:手前にあるものは、**鮮やかで濃い色**で塗る。
- 奥のもの:遠くにあるものは、**淡く、少し霞んだような色**で塗る。
風景画を参考にしてみましょう。遠くの山は青みがかって見えたり、手前の草木は鮮やかな緑に見えたりしますよね。この色の違いを、あなたのイラストにも取り入れてみてください。
3. 「ぼかし」で遠近感を演出する
デジタルアートならではの便利な機能が、この「ぼかし」です。
- 手前のものをぼかす:キャラクターや手前のものをあえて少しぼかすと、写真でいう「被写界深度」のような効果が生まれ、イラストに奥行きが感じられます。
- 奥のものをぼかす:遠くの風景をぼかすことで、手前のキャラクターがより際立ち、イラスト全体の主役がはっきりします。
ぼかしツールを使えば、この表現もワンタッチで簡単にできます。
パースのルールを学ぶのも一つの手ですが、まずは「遠くのものは細く、近くのものは太く」「遠くのものは淡く、近くのものは鮮やかに」といった感覚を掴むことから始めてみましょう。ルールに縛られず、あなたの好きな表現方法で、遠近感のあるイラストを楽しんでください。